こんなワインです
全房プレス。果汁はステンレスタンクに移され、1次発酵が開始される。その後、低温保存していた果汁を投入し、自発的に2次発酵を促す。数カ月後にボトリング。ノン・フィルター。
※コルクではなく王冠になります。
※エチケットがヴィンテージにより異なります。
チレッリのワイン
WINERY
生産者情報
チレッリ
●アンフォラ発酵モンテプルチャーノ●
ワイン造りの素人が始めた理想のカンティーナ。周囲を森に囲まれた中にオリーヴ、アンズ、イチジク、スペルト小麦、 そして葡萄を栽培。有機栽培の葡萄から2つのラインのモンテプルチャーノをリリース。
素人から始めたワイン醸造
ワイン販売関係の仕事をしていた「フレンチェスコ・チ レッリ」。徐々にワイン造りの欲求を抑えられなくなり、 1 人で全てできる規模の農園を探し始める。 最終的に自分の地元でもあるアブルッツォのアトリの 山奥の土地を購入。森林を伐採し、開墾。葡萄の植 樹から始めることとなる。
『自然の一部としての農業をやりたかった。葡萄を造 る為には森、オリーヴ、他の野菜。そして動物が必 要。それが実現できる場所を見つけた』
「フランチェスコ」は葡萄畑以外にオリーヴの樹とアン ズの樹、イチジクを栽培。更にスペルト小麦、にんにく も栽培している。 そして敷地内にはガチョウを放し飼いにしていて、彼 等の糞が自然と肥料になっていく。
『肥料は使わない。近所の家畜やガチョウの糞。落ち たオリーヴやイチジク、そして自然と生える下草が時 間をかけて腐り土に帰っていくだけ』
優れた葡萄を栽培したいのではなく、土地そのものを 表現する葡萄を収穫することを目的としているので 極端な収量制限なども行わない。
『葡萄は地上の植物で最も生命力が強いと言われ る。だから土地そのものを表現できる』
彼の目指すワインは日常のワイン。醸造だけでなく、 栽培もできる限り自然の中で行われていく。
『IMC の認可を受けて全ての所有地はビオロジック が採用されている。それより重要なのは葡萄が他の 植物や動物と共存すること』
トスカーナのアンフォラ
理想のワインを目指すうちに出会ったのが「アンフォ ラ」。シエナに住むアンフォラ職人と出会い、トスカー ナの粘土から造られた「アンフォラ」を導入。
『イタリアの土の中から葡萄樹が育ち、葡萄ができる。 その葡萄をイタリアの土の容器の中でワインに変え ていく。葡萄は土の中でワインに変わる』
葡萄が鉄や木材など馴染みの無いものに触れること なくワインに変わるのが最もストレスのない環境。それ を実現できるのが唯一アンフォラだった。
『アンフォラの内側は蜜ロウを塗っていない。蜜ロウ は少しずつワインに溶け出し味わいを変えてしまう から繊細さを消してしまう』
「ジョージア」のアンフォラは内側を蜜ロウで固めてあ る。これによって薄くても割れにくいが、蜜ロウは徐々 に溶けだしてワインに独特の風味を与える。
『フリウリで使われるジョージア産のアンフォラは蜜ロ ウが使われているので繊細な品種だと蜜ロウの風味 で品種個性が消えてしまう』
長いマセラシオンやタンニン、香味の強い品種であ れば蜜ロウの風味も気にならないが、彼の目指すワイ ンは綺麗さが必要。蜜ロウは合わない。
『厚いテラコッタのアンフォラは蜜ロウで固める必要 がなく、純粋。何の香もワインに与えない』
アンフォラでの熟成期間は今のところ 9 ヶ月。今後、 樹齢が上がり、葡萄自体のポテンシャルが高まれば、 もう少し長い熟成をしたい。
毎日のワイン
彼等は 2つのラインを造っている。1つはステンレスタ ンクとセメントタンクで低温発酵させ、そのまま熟成さ せたライン。
『トレビアーノは 1 晩だけマセラシオン。直線的な味 わいのステンレス熟成と丸みが出るセメント熟成を ブレンドすることでバランスをとる』
もう 1 つのラインがアンフォラ発酵・熟成。最良の区 画の葡萄だけを使い、20 日間以上のマセラシオン。 温度管理も行わず、自然酵母だけで発酵。
『ワイン造りの理想を追求しているのがアンフォラで 造っているワイン。一方で毎日の生活の中に高品質 のワインを提供することも重要』
ワイン造りの素人が始めた理想のワイン造り。アンフォ ラでの熟成もアルミ製の蓋にゴムパッキンを付けて酸 化を防ぐなど合理的で無理がない。