こんなワインです
土壌はこのカディス県特有のアルバリサ。8ヘクタール5区画で畑名はマタリアン。標高50?80m、なだらかな南向き斜面。2015年に植樹された若木を使用。8月2週目より収穫スタート。ゆっくりとダイレクトプレス、15〜18度に温度管理されたステンレスタンクで発酵。自然酵母のみ使用。自然マロラクティック発酵。そのまま澱と共に熟成し翌年4月にボトリング。ボトリングは数回に分けて行われる。無濾過、無清澄。
プリミティヴォ・コヤンテスのワイン
WINERY
生産者情報
プリミティヴォ・コヤンテス
・シェリーの老舗が始めたパロミノのスティルワイン・
アンダルシア最南端のチクラーダ・デ・ラ・フロンテーラ、大西洋から2-3キロ、海と山からの強風で実は冷涼な土地
プリミティヴォ・コヤンテスはアンダルシアのシェリー・リージョンにある家族経営の小さな生産者です。現在のプリミティーヴォで4代目になります。(先代も先先代もプリミーヴォですが)ボデガは19世紀に建てられました。彼は代々受け継がれたその情熱と共に新しい方向へと進んでいます。これはこの土地において不可避だったのかも知れません。
シェリーの生産者としては彼のスケールは小さいと言えます。彼らは39ヘクタールの土地を所有し、全て葡萄は自社畑のものです。カディス県のチクラーナ・デ・フロンテラに位置します。ここはヘレスから25キロ、サンルーカ・デ・バルメーダから50キロと離れておりシェリー・リージョンの最も南に位置します。チクラーナには40年前、3000ヘクタールの葡萄畑が存在しました。現在は100ヘクタールに減少しています(そのうちプリミティーヴォが30ヘクタール所有、残りの9ヘクタールはチクラーナ)。
これはシェリー・リージョン全体の抱える問題で1970年代から80年代にかけての大量生産と低品質のワインのおかげでシェリー自体の地位と需要の低下が招いた結果です。高い収量のクローンが植えられ完熟さを紛らわすためにアルコールや添加物を加え、畑やテロワールではなく工業的に作り出したものでした。
以前白亜質土壌に広がっていた葡萄畑は、現在じゃがいも、ひまわり、綿花に変わっていました。そしてプリミティーヴォは受け継がれるシェリーの生産を守り続けると当時に酒精強化されていないナチュラルなワイン作りを始めました。酒精強化されてないワインはVino de la Tierra de Cadiz (ヴィノ・デ・ラ・ティエラ・デ・カディス)というIGPの呼称になりパロミノ100%でシェリーと同じ土壌、シェリーの酒精強化なし、短い熟成というわかりやすいワインになっています。
チクラーナはヘレスより10度ほど気温が低く大西洋から2〜3キロの所に位置しているので常に海風も強く夏でも28度から30度前後程度です(ヘレスは40度になります)アンダルシアでも雨量もあり(600mm程度)有名な白亜質土壌(アルバリサ)がその雨量をスポンジのように受け止め成育期に十分に水分を保ちます。セラーにおいて醸造は極めてシンプルで最低限の介入と伝統の中に保っています。プリミティーヴォは新しいこの地の推進者であり新しい息吹を吹き込む生産者でもあります。