こんなワインです
ラ・モッラのサンタ・マリア・ブリッコ・サン・ビアッジョの葡萄を使用。樹齢15年、標高は200mで2haの畑。発酵はステンレスタンク。バローロよりマセラシオンを短く15日程度に抑えている。熟成は色々な樽に入れて12ヶ月以上、ボトリングして6ヶ月休ませてから出荷。年産15,000本のみ。赤いフルーツと優しいタンニンがバランスするランゲらしいスタイル。
オッデーロのワイン
WINERY
生産者情報
オッデーロ
●現存する『バローロ最古』の造り手●
「ヴィーニャ・リオンダ」「ブルナーテ」「ブッシア」「ヴィレッロ」「ロッケ・ディ・カスティリオーネ」とバローロの重要なクリュ の良い区画を所有する伝統的バローロの老舗が復活。
1878年初めてのボトリング
現存するバローロ、バルバレスコの造り手の中で最も 古い歴史を持つと言われる「オッデーロ」。 今も 1700 年代に建てられた当時のカンティーナで 醸造している。初めてボトリングしたのは 1878 年。そ れ以前はダミジャーナで販売していた。
『60 年代にジャコモ・オッデーロがアンジェロ・ガヤの 父ジョヴァンニやリナルディ等と共に DOCG の元に なるバローロの法規制を作った』
第 2 次世界大戦後、荒廃したランゲの畑は農民に 手放されていったが、ジャコモは畑を買い足していく ことを決意。 そのお陰で現在でもラ・モッラ、カスティリオーネ・フ ァレット、セッラルンガ、モンフォルテ、バルバレスコと 幅広い地域の最良の畑を所有している。 『各地域の最良の畑を所有しているのは僕達だけ。 長い歴史のお陰。同じ醸造方法で各地域の最良の 畑の葡萄を醸造するからテロワールが解る』 彼等の所有する畑は「ブルナーテ」「ヴィーニャ・リオ ンダ」「ブッシア」「ヴィレッロ」と各地域の最良の畑ば かり。他の造り手ではあり得ない豪華さ。 そして、特殊なのがバルバレスコ。法律ではバルバ レスコの葡萄をバローロ内で醸造するとランゲ・ネッ ビオーロになってしまう。
『バローロで唯一醸造を許されているバルバレスコ がオッデーロのバルバレスコ・ガッリーナ。法規制前 から造っているから例外で認められている』
1997年より有機栽培に転換
所有畑は 35ha。90 歳を越えた先代から 1997 年に 栽培・醸造を受継いだ娘の「マリアクリスティーナ」が 全ての畑を有機栽培に切り替えた。
『先代の時代は農薬が推奨された時代だったが、 少しずつ減らし、97 年から徐々に有機栽培に移行。 現在、全ての畑は有機栽培となった』
畑ではコンポストと硫黄、極少量の銅のみが使われ る。除草剤、防虫剤は一切使用しない。
『ティニョーラ(害虫)にはホルモン剤を使用。ホルモ ンを麻痺させることで交尾できなくなり、その結果、 害虫の数が減っていく』
彼等の畑は各地に点在し、1 つ 1 つは非常に小さい ので隣の畑の影響も受けやすい。隣の造り手とも協 力し合い有機栽培を推進している。
『僕等の大きな特徴はネッビオーロのクローンの多 様性。古くから所有しているので 16 種類以上のク ローンが混在している』
有機栽培の次に畑で取り組んでいるのが葡萄樹の 循環型自主生育。ツルをできるだけ切らずに自由に 伸ばすことで葉を増やし、光合成を助成。
『ツルを切る事で葡萄を凝縮させる造り手が多いが、 僕等のスタイルではない。グリーンハーヴェストもほ ぼしない。過度な凝縮は必要ない』
有機栽培によって厳しい環境で育つ葡萄は自然と 収量を落としてくれる。グリーンハーヴェストは収量 制限ではなく、風を通す為に行う程度。
凝縮感ではなくバランス
一時期はバリックを試したり、ステンレスタンクでの発 酵も試みたが、現在はセメントタンクでの発酵に戻し、 バリックは廃棄された。
『セメントで自然酵母のみでゆっくり発酵。温度管 理はしない。マセラシオンは葡萄の状態に合わせて 20-30 日』
「マリアクリスティーナ」とその子供達によって伝統的 オッデーロの味わいは復元された。 古いスラヴォニアの大樽を主に、「フォラドーリ」や「ロ アーニャ」も愛用するオーストリア産ストッキンガー社 の大樽を使用。
『ストッキンガーは樽材が厚く、目が詰まっているの で酸素供給率が低い。タンニンも少なく、香、口中 の甘みがほとんど出ない』
そして「DRC」「パカレ」も愛用するフランス産グルニ エの大樽も良い結果を出している。
『1 年目の樽はバルベーラと相性が良い。2-3 年は ランゲ・ネッビオーロ。その後、4年目からバローロに 使用する』
透き通った色調の彼等のワイン。過度な凝縮や抽 出を嫌い、パンチングダウンを行わない。最低限の ルモンタージュのみで発酵を続ける。
『全てのバローロの醸造は同じで良い。テロワールの 違いだけが味わいを造り出す。何故ならオッデーロ はバローロ最良の畑を所有しているから』