こんなワインです
50%マルヴァジア・プンティナーダ、30%ファランギーナ、20%グレケット。混植されている5列の区画の葡萄を一緒に収穫し、一緒に発酵。醸造はデリカ・ビアンコと同じ。グレケットからタンニン、ファランギーナから酸味を得て、マルヴァジア・プンティナーダからは骨格と香を得ている。
マルコ・コリッキオのワイン
WINERY
生産者情報
マルコ・コリッキオ
●ローマの火山岩で育つマルヴァジア・プンティナーダ●
ローマ固有品種マルヴァジア・プンティナーダはローマの火山岩土壌で育つ事でその個性を際立たせる。僅か1.5haの畑で自然に育ったマルヴァジア・プンティナーダだからこその上品さ。
ローマの典型的農家
ローマの外周道路から 5km 程度海側に離れたローマ郊外で僅か 1.5 ha の畑から年産 6,000 本のワインを造っている「マルコ・コリッキオ」。
『何世代にも渡って農業を営んできたので農業を引き継いだが、農作物 以上に人を喜ばせる事ができるワインに興味があった 』
父親は葡萄畑、オリーブ畑と羊の飼育、養鶏場を営んでいたが葡萄は協同組合に販売していてワインは造っていなかった。
『 2012 年、醸造学校を卒業し 1.5 ha の葡萄畑でワインを造る事を決め、自宅兼醸造所を購入。 2013年からワイン造りを開始』
父親は今でも畑の脇に 住み、羊と鶏の世話をしながら畑の管理も手伝っている。ワイナリーと言うより典型的な農家といった感じ。
『葡萄畑はオリーブ、カルチョーフィ・ロマネスコ、栗、ニンニク、 芋、 更に羊と鶏と隣り合っていて生物多様性が確保されている』
80 年代、高品質ワインで有名な地域だったが、ローマの飲食店で消費される日常ワインの需要 が高まり、造り手は 収量を増やしていった。
『結果、ワインの質は下がり、葡萄の 買取価格も下がった。 ローマに近いので土地の価格は上がり、葡萄栽培は廃れていってしまった』
今ではローマの飲食店では他産地のワインがサービスされるようになり、ローマ の葡萄畑は放棄され、マルコ以外に高品質ワインを造る人はいない。
火山岩との相性
畑はカステッリ・ロマーニの麓 、パヴォーナ地域にあり、バチカンの王様の避暑地として使われた美しい自然が残る地域。
『ローマからナポリにかけて死火山が多く、 1000 年以上前の噴火による火山岩土壌になっていて、水はけが良くミネラルが豊富』
この火山岩と相 性の良い品種がファランギーナとグレケット。そしてラッツィオの固有 品種マルヴァジア・プンティナーダ。
『 マルヴァジア・プンティナーダは火山岩土壌で栽培するとレモンやグレープフルーツのような香とミネラル、骨格が出てくる 』
一般的なフルーティーで甘 く て重い アロマティックなマルヴァジアとは違う品種。 ローマ 固有 の プンティナーダは火山岩で育つ事ができる珍しい品種 。
『プンテ ィナーダはマルヴァジアの中でも個性的な香と繊細さがある品種。 甘くないし、 重くない。 アロマティックでもない』
そして、黒葡萄で重要なのがサンジョヴェーゼ。彼の畑のサンジョヴェーゼはクローン改良されていない野生種に近いサンジョヴェーゼ。
『父の出身地モリーゼに残っていた 60 年代から残っていた古いサンジョヴェーゼをマッサルセレクションで保存。ローマに移植した』
繊細だが、野性味溢れるサンジョヴェーゼでタンニン量も多く、暑さに強いのでローマの乾燥する夏でもストレスを感じずに生きていける。
嘘のない栽培と醸造
ワイン造りを始める時、マルコが決めた最も重要な指針は畑でもセラーでも誠実にシンプルにワインを造るという事。
『父の代から使っていなかったが、あらゆる農薬、除草剤、防虫剤を使用しない。銅と硫黄は必要な場合、最低限使用する』
ローマは1 年を通 じて雨が少なく乾燥してい る。更にカステッリ・ロマーニから吹き降ろす北風があり、水捌けの良い火山岩。
『 乾燥していて土壌も水はけが良いのでカビが少ない。 葡萄が健全に育つ 環境を自然と持っているので銅、硫黄でさえもほとんど使わない 』
葡萄樹の横にはカルチョーフィや芋が育っていて昔の二毛作のように 1 年中収穫できる。野生の植物も含め、色々な生物が共存している。
『遺伝子組換えやクローンは危険。自分の畑ではクローンも遺伝子組換えの作物も育てたくない。葡萄も古い畑から接木で移植する昔のスタイル』
醸造所もシンプル。小型ステンレスタンク 3 つと トノー1 つ。エナメルタンクが 1 つという 小規模の設備。ボトリングマシーンは手動でコルクの打栓も手動。
『 ボトリング前の極小量の酸化防止剤以外は何も足さないシンプルな醸造。酵素、酵母、砂糖、酸、タンニン等何も加えない 。ノン・フィルター』
2017 年までは樹が若いので骨格を得る為に少しマセラシオンをしていたが、 2018 年以降は、より品種個性を前面に出す為、マセラシオンをやめた。