ロエロ・アルネイス・ラ・ヴァル・ディ・プレティ2016

樹齢50年以上のアルネイス

マッテオ・コレッジア

ロエロ・アルネイス・ラ・ヴァル・ディ・プレティ2016

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生産地 イタリア/ピエモンテ
品種 アルネイス
ヴィンテージ 2016
種類
容量 750ml

リースリングの様なオイリーさと複雑さ

青りんごやオレンジの皮、ハーブの香りにフルーツの凝縮感とたっぷりの酸、スパイス感、そしてリースリングやティモラッソの様なオイリーさ。様々な要素がバランスしています。そして塩味とミネラルの余韻が長い!美味しい!熟成感はありますが酸化のニュアンスは全くありません。

ライトボディ フルボディ
フレッシュ 複雑
酸味 甘味
タンニン弱 タンニン強

こんなワインです

1987年にネッビオーロ・ダルバとしてリリースした最も古い畑ラ・ヴァル・ディ・プレティの葡萄のみ。樹齢は50年を超える。約70%以上が砂質の極端な畑。30%シルトで粘土はほとんど存在しない。収穫を2回に分けている。最初の収穫で酸度を得て、2度目の収穫で熟度を得る。

アルネイスは酸に弱い品種なので樽を使ってしまうと酸化のニュアンスが全面に出てしまう。それを避ける為、ステンレスタンクのみで低温発酵。
70%はモストのみで醗酵するが、骨格を与える為30%は果皮ごと醗酵。
4か月間ステンレス内で熟成した後、瓶内で6年間熟成。
酸素供給量を最小限にするためスクリューキャップを採用しています。

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WINERY

生産者情報

マッテオ・コレッジァ

 

 

ロエロで初めてロエロ・ロッソを造ったパイオニア


故マッテオ・コレッジアの意志を継いだ息子ジョヴァンニが加入
アンフォラ、セラミック、大樽熟成の導入、スクルーキャップの導入とロエロの繊細さを追求


❖ロエロで初めての赤ワイン


1976年、エリオ・アルターレ、ロベルト・ヴォエルッツィオ、アルフレッド・ロアーニャ等が参加したブルゴーニュ視察こそが、バローロの革命の始まりでした。
『小作人制度で葡萄は大手に安く買い取られていた時代。ロエロの葡萄栽培農家もバローロ同様に貧しく、高品質ワインを造るというモチベーションは全くなかった』
このブルゴーニュ視察にバローロの造り手以外で同行していたのが、マッテオ・コレッジア。バローロ・ボーイズにバローロ以外の造り手で参加していたのもマッテオだけでした。
『ブルゴーニュ視察で砂質のロエロではピノ・ノワールのような軽やかで芳香に優れるネッビオーロが造れると確信。当時白ワイン産地だったロエロにネッビオーロを植樹し始めます』
1980年代にはエリオ・アルターレ、ロベルト・ヴォエルッツィオに学びながらネッビオーロの生産を開始。白ワインの産地、ロエロで初めてネッビオーロをリリースして驚かせます。
『1985年、23歳で葡萄畑を相続したマッテオ。醸造を学んだ経験はなかったが、ロベルト・ヴォエルッツィオの援助で、自社醸造、自社ボトリングを開始』
大量生産のアルネイスの産地で5,000本/haの密植。グリーンハーヴェストの実施。更に葡萄の房の先1/3をカットして凝縮させるという当時では考えられない手法でした。
『当時のロエロでは葡萄を落とすグリーンハーヴェストは農民として許されない、神に逆らうような行為だった。父は夜、隠れて行い、剪定した葡萄は土に埋めて隠していた』
こうして、バローロ・ボーイズの革命と同じく、安い白ワインの産地だったロエロはマッテオ・コレッジアによって高品質赤ワインの産地へと変わり始めたのです。
『1987年のバルベーラ・マルンとネッビオーロ・ラ・ヴァル・デ・プレティはイタリア国内のみならず、アメリカでも衝撃をもって受け入れられ、一気に人気ワイナリーとなります』
現在、ロエロでは赤白両方のワインを造りますが、ロエロで赤ワインを造ったパイオニアがマッテオ。そして、今でもマッテオ・コレッジアは白より赤ワインが多い唯一の造り手です。
『2001年、ロエロの赤ワインが世界に認められ、人気絶頂の中、マッテオは畑の開墾作業中の事故で亡くなってしまう。39歳という若さでした』
その後、ラ・スピネッタ、ヴォエルッツィオが畑仕事、醸造を助けてくれ、オルネッラ夫人が経営を引き継ぎます。醸造はマッテオの下で働いていたルカが今も担当しています。


❖60%砂質

『ロエロの最大の特徴が土壌。60%以上が海に由来する砂質で、粘土石灰質のランゲとは大きく異なる。砂質は豊かな芳香で軽やかなネッビオーロを産む』
数百万年前、地殻変動で海面が上昇。海水がアルプスにまで達し、その後徐々に引いていった際、海底の砂が、ロエロに溜まりました。これには多くの貝等の化石を含みます。
『海の堆積物と貝の化石を多く含む砂質と泥灰岩。更にタナロ川が運んできたアルプス由来の堆積物が点在する特殊な土壌で約25万年前に形成された若い土壌』
砂質は粘土と違い、空気を含むので葡萄樹を根から温め、葡萄の発育を助けます。ネッビオーロのタンニンは厳しくなく、丸く、柔らかい。だから、ロエロは若い内から楽しめるのです。
『ロエロのネッビオーロは若い内から開いていて、バローロのように酸やタンニンが攻撃的ではない。ブルゴーニュ・ルージュのようにリリースしたてから美味しく飲める』
『もう1つの重要な要素がタナロ川。5万年かけて流れを変え、支流が干上がった。干上がった場所が崖になり、砂質を含む粘土質の丘(ロッケ)を形成した』
この丘にある畑がロッケ・ダンピセイ。ロエロ最高の畑と言われる比較的粘土が強い畑で国立公園に指定されているエリアなので自然環境と健全な土壌が守られています。
『2つの単一畑は2kmしか離れていないが、ロッケ・ダンピセイは粘土質が強く、ラ・ヴァル・デ・プレティはロエロらしい砂質の強い畑。全く違う個性のネッビオーロ』


❖よりシンプルにストレートに

醸造を担当するのはマッテオの意志を継ぐルカ。1998年にアルバ醸造学校を卒業後、アグロノミストとして働いていた時にマッテオと出会い、現在に至るまで醸造を担当しています。
『マッテオは醸造学を学んでいなかったが情熱はあったが醸造の経験は無かった。ルカは醸造のスペシャリストなので、マッテオの意志を実現する事ができた』
以前は多くグリーンハーヴェストをして、更に酸度の高い葡萄の先1/3をカットする事で強い葡萄を得ようとしていたが、温暖化が進んだ現在は全く違います。
『アルコール度数が上がり過ぎないようグリーンハーヴェストは最低限。葡萄と葡萄の間隔を調整して病気を防ぐ為だけ。酸度を確保する為に先端のカットも行わない』
強い日照から守る為、新梢を伸ばし、南側の葉を多く残し、葡萄が葉の陰に入るように剪定する事で葡萄の生育を遅らせ、酸度を確保。糖度が上がり過ぎないように調整。
『ロエロの繊細さをより強く感じさせる為に、新バリックの使用を中止。大樽とセラミックでの熟成に切り替えた。8日間程度の短いマセラシオンでも充分に個性を表現できる』
更に、2012年からは、より土地の個性を正しくストレートに感じさせる為にスクリューキャップを採用。酸化やコルクの悪影響がなく、品質のバラつきもなくなりました。『生産量の50%以上がスクリューキャップです。ブショネがなく、品質が安定するだけでなく、ボトリング時の亜硫酸の添加量も以前の1/3以下にまで減らす事ができます』