ヴィットリア・ロッソ2019
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唯一無二のバランス感2019年だけの味わい

コス

ヴィットリア・ロッソ2019

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品種 ネロ・ダヴォラ,フラッパート
ヴィンテージ 2019
種類
アルコール度数 12.5%
容量 750ml

赤果実のフレッシュさ軽やかでエレガントさが際立つ

赤系果実のかわいらしい香りが広がる。口中は酸が主体。エレガントな果実感と甘く丸いタンニン。コス特有の海の香がより感じられエレガントな余韻が続く。

ライトボディ フルボディ
フレッシュ 複雑
酸味 甘味
タンニン弱 タンニン強

こんなワインです

野生酵母のみで大きな四角いセメントタンクで発酵。品種毎に収穫のタイミングが違うので別々に醗酵。その後、アッサンブラージュしてからスラヴォニア産のオーク樽で 18 ヶ月以上熟成。伝統的造りで、若い内は繊細さが勝るが、少し熟成するとネッビオーロのような深みが出てくる。通常ヴィンテージより 0.5%アルコールの低く 12.5%。

彼等を代表する赤ワインが「チェラスオーロ・ディ・ヴィットリア」。 ただし今回入荷した 2019 ヴィンテージは、DOCG規定のアルコール度 数の 13%に 0.5%程達しなかったため「チェラスオーロ・ディ・ヴィットリ ア」とは名乗れず「ヴィットリア・ロッソ(DOC)」として入荷しました。 最近の傾向ではどこも温暖化の影響でアルコールが上がることが多い のでは?もしくは早摘みしたの?疑問を持たれる方も多いかと。 さて、その理由は?? コスの葡萄畑はアフリカのチュニジアと同じ緯度にあり、毎年本当に暑 いんです。2019 年、暑さが例年より早く到来し去るのも遅かった年。そ れによって葡萄は長期間の熱ストレスにさらされました。重要な生育期 に熱ストレスがかかるとシュートが短くなり、房も実も小さくなります。シュ ートが短いと光合成の力も弱くなり、更に 30度を超える過剰な熱さが長 期間続くと光合成はストップし、成熟が遅くなります。その結果、糖度は 低く酸度が高い、まるで寒いヴィンテージと同じような葡萄となり、できる ワインもアルコール度数も下がるんです。 全くの想像外!自然って本当に面白いものですね。

「チェラスオーロ・ディ・ヴィットリア(DOCG)」を維持するためには糖度の 高いブレンドするか、シャプタライゼーションをするかの選択に直面した COS。もちろんどちらの選択も受け入れることができません。自分たち の代表するワインのクラスを落としてでも、とにかく実直にワインを造るこ とを選び、DOC ヴィットリア・ロッソが出来上がりました。 何とこの一連の状況によって、2020 年ヴィンテージより DOCG 規定の アルコール度数は 13%から 12.5%に引き下げられたのです! 2019 年のヴィットリア・ロッソ、「チェラスオーロ・ディ・ヴィットリア」と造り は全く変わらず、フラッパート(40%)とネロ・ダーヴォラ(60%)をアッサ ンブラージュし、伝統的ワイン。なんとも言えない絶妙なバランス感。赤 系果実のフレッシュさを味わうフラッパートと黒系果実の重厚さを味わう ネロ・ダーヴォラという両極端の個性をアサンブラージュする事で絶妙 のバランス感を得ている訳です。2019 年はタンニンや凝縮度は劣りま すが、通常より 0.5%アルコールの低さは、赤果実のフレッシュ感や酸 を引き上げているよう。軽やかでエレガントさが際立ちます。 この「ヴィットリア・ロッソ」は、コスの信念の結晶と言っても過言ではない ワインですね

 

コスのワイン

  • ピトス・ロッソ 2021

    コス

    海を感じる拘りの赤ワイン

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  • ネロ・ディ・ルーポ2022

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    果実の凝縮感が力強い!

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    コス

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WINERY

生産者情報

コス

●『チェラスオーロ・ディ・ヴィットリア』の先駆者●

チェラスオーロ・ディ・ヴィットリアを代表する造り手。自然なワイン造りに傾倒しており、アンフォラ発酵はいち早く導入。 今では非常に高い完成度を誇っている。

 

世界最大のアンフォラ熟成庫

シチリア「ヴィットリア」での高品質ワインの歴史は浅い。 「コス」が創業した 80 年代、高品質少量生産ワイナリ ーは1軒も存在しなかった。

『果樹園、さぼてん栽培とオリーヴ畑がこの地域の 産業。80 年代のヴィットリアでは葡萄畑は荒廃して いた。皆が諦めていた』

「ジュスト・オキピンティ」、「ジャンバティスタ・チリア」 と「チリノ・ストラノ」の 3 人がこの地のワイン造りの復活 を目指して創業した。

『3 人の名前の頭文字を取って C.O.S と名付けた。 現在ではチリノが抜け、ジュストとティッタ(ジャンバテ ィスタ)の 2 人で運営している』

当初は当時の最先端のワイン造りを取り入れていて バリックが並び、カベルネを尊重していた。 1991 年には新たに「ヴィラ・フォンタネ」を購入。個性 の違った区画に育つ古樹を手に入れる。

『ワインと自然の結び付きを感じ始め、ビオディナミに 行き着く。2000 年には古代のワイン造りを目指し、 シチリアで初めてアンフォラを導入』

今ではバリックは全て売却され、150 個の「アンフォ ラ」が地中に埋められている。これは世界最大規模 のアンフォラ醸造所だ。

 

混植でワインに躍動感を

『葡萄樹は虫や他の植物と一緒にいるのが自然。共 存させることが重要で人間とも共存したいと思って もらうことが重要』

除草剤で縞模様になった畑が未だに多い「ヴィットリ ア」。彼等の畑は青々とした草に溢れて健康的。一 切の薬剤は使用しない。ボルドー液さえも使用しない という完全無農薬の畑。 彼等の畑は森や果樹園に隣接されている。古い株 仕立の低い葡萄樹は下草と同じ高さで葡萄畑と森の 区別がつかない。

『色々なクローンを混植している。また、プロヴィナー ジュで種を保存している。仕立はアルベレッロを基本 にするが自由に育てる』

色々なクローンが混在することで葡萄の熟度や酸度 にバラツキが出ることが重要だと考えている。 同じクローンであれば同じ病気になり、同じタイミング で熟す。栽培は楽になるが、味わいが均一化され、 ワインに躍動感が出てこない。

『人間が狙って造った味は単純。不揃いで計算でき ない複雑さが自然なワインを造る。こうして完成した ワインは感情的で動き出すようだ』

 

ワインは生きている

醸造所からバリックが消え、アンフォラが地中に埋ま っている。ステンレスタンクは伝統的セメントタンクに 変わった

『葡萄の人生にステンレスは無い。できる限 り自然な素材の中でワインにしていく。アンフォラは 土なので葡萄にとって一番身近な素材』

アンフォラの効能は適度な酸素置換とワインにタンニ ンや香などを与えないこと。しかし、彼等が一番重視 するのは葡萄にとって一番身近な素材であること。

『アンフォラは毎日、1 つ 1 つ違う成長をし、違う問 題が起こる。毎日清潔に保ち、1 つ 1 つのアンフォラ で起る問題に対処することが重要』

150 個のアンフォラは 150 種類のワインに育つ。 バクテリアや酸化の問題は樽やタンクより大きく、毎 日試飲をし、毎日噴きこぼれたワインを洗い流す等、 細かい対応が行われている。

『クローンの多様性と同じようにアンフォラでの発酵・ 熟成でも多様性が実現される。この個性をアッサン ブラージュすることでワインは複雑さを得る』

「コス」のアンフォラ発酵・熟成のワインで揮発酸や酢 酸を感じることは無い。清潔に保たれた彼等のセラ ーを見れば納得できる。 熟成中のワインは「ティッタ」が好きなクラッシク音楽 を聴かせながら熟成されている。

『ワインは感情を持っている。葡萄と同じで育った環 境で個性が変わる。ゆったりとした音楽を聴いて育 ったワインは癒しを持っている』