こんなワインです
標高200mの畑で黄色い粘土石灰土壌に石灰と硫黄質が豊富に含まれている畑。この地域のトレビアーノの亜種トレビアーノ・ロマニョーロに地品種パガデビットが混植されている。ステンレスタンクで発酵後、6ヶ月間熟成。5%のパガデビットは果皮を漬け込んでいる(6ヶ月マセラシオン)。
ノエリア・リッチのワイン
WINERY
生産者情報

ノエリア・リッチ
●山のサンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ『プレダッピオ』●
高い標高と硫黄含有量が高い土壌。海洋性気候の影響を受けない冷涼な気候。生産性が悪く、濃厚さもないので敬遠されてきたが、唯一無二の個性。新しいサンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ。
高地プレダッピオ・アルタ
東西に長い「サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ」。アドリア海寄りの東部は標高 100mの平地だが「ノエリア・リッチ」が位置する「プレダッピオ・アルタ」は標高 400mを超える丘陵地となっている。
『サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャで最も標高が高く、特別な土壌。他の地区とは全く違う個性だが、歴史的には軽視されてきた』
プレダッピオ地区でも更に上部の「プレダッピオ・アルタ」のラッビ丘陵に1941年から荘園を持っているのが「リッチ家」。故「ノエリア」が1970年にこの土地のポテンシャルに気付き葡萄を植樹。それ以来「リッチ家」によって守られてきた。
『当時は平地で造られる安くて濃いワインが求められていた。繊細で軽やかなプレダッピオのワインは理解されなかった』
現当主は「マルコ」。醸造責任者は親子2代に渡りサンジョヴェーゼ専門の醸造家として活躍するサンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャの専門家「フランチェスコ・ボルディーニ」。
『ロマーニャは安さが売りだった。自信が無いから濃くて安いワインを造っていた。プレダッピオの個性は唯一のもの。土地の個性を表現するべき』
彼は「ラ・ストッパ」当主「エレナ」等多くの醸造家も認める実力者で「サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ」の質での復興を牽引している。

クジラの骨が出土した土壌
彼等の白ワイン「ビアンコ・フォルリ・ブロ」にはクジラの絵が描かれている。これはクジラの骨の化石が出土した畑から造られているから。
『海底由来だが、ロマーニャで最も石灰が豊富で泥灰が少ない。最大の特徴は硫黄が多く含まれること。果実よりミネラルが勝る』
アドリア海側から南北にいくつもの山脈が連なる。何度も隆起が起った地域だが「プレダッピオ・アルタ」が最も標高が高いので冷涼。
『海洋性気候の影響もない。標高400mの急斜面は冷涼で水はけも良い。そして硫黄含有量が多くミネラル分が強く出る』
ロマーニャでは異質の環境が揃っている。他の造り手は誰もこのポテンシャルに気付かなかった。「ノエリア・リッチ」だけの個性。
『急斜面なので生産効率は悪い。冷涼なので葡萄の生育が遅い。硫黄が多いので濃厚さはでない。 だから誰もが軽視してきた』
最も標高の高い「ゴデンザ」畑は周囲を森で囲み海風の影響を受けないようにしている。樹齢は40年。土地の味、ミネラルの表現。
『ロマーニャにはテロワールという考え方自体が無かった。ニュートラルなサンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ種だからこそ土地を素直に表現できる』

ステンレスのみが重要
昔は「プレダッピオ・アルタ」の葡萄は強さが無いのでスプマンテに使われていた。
『ニュートラルだからこそ土地そのものの表現ができる。品種の個性ではなく土地の個性が出る』
栽培は全ての畑で有機栽培が実践されている。有機認証を取得できる年数をクリアしているが、現時点で満足していないので取得していない。
『発酵・熟成は全てステンレスタンク。ニュートラルな品種なので何も与えないことが重要。樽は強すぎて全てを隠してしまう』
同じサンジョヴェーゼでもトスカーナのサンジョヴェー ゼとは全く違う。ロマーニャのサンジョヴェーゼは房が大きく粒も大きい。果皮は薄い。果皮が薄いのでタンニン量も少なく早飲みできる。全ての要素は突出していないので樽や長期マセラシオンは品種や土地の個性を隠してしまう。
『ワインに熟成容器の味や醸造技術の味が出てはいけない。ましてや醸造家の個性が出てはいけない。その土地の味がすれば良い』
■ビアンコ・フォルリ・ブロ :「トレビアーノ・ロマニョーロ」。5%だけ4月までマセラシオンすることで深みを与える。
『砂が多い畑なので軽いミネラル。良い畑でないと個性が出ない品種。少し熟成するとペトロール香が出る。少しのタンニン』
■サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ・ゴデンザ:標高400mの最上部にある畑。周りに畑は無い。ロマーニャで一番高い位置にある。
『森に囲まれ海の影響を全く受けない。山の冷涼感とミネラル。果実はほとんど感じない』