ブルーノ・チョフィ

●サンソニエールの現醸造責任者●

フェルム・ド・ラ・サンソニエールの現醸造責任者であるブルーノ・チョフィが自然農法で頑張っている若手を支援する事とワインの地方性を保持する為に始めたプロジェクト。

 

サンソニエールの醸造責任者

アンジュで自然なワイン造りを広めたマルク・アンジェリ率いる「フェルム・ド・ラ・サンソニエール」。2017年、マルクは醸造責任者を退いてしまう。
『マルクが醸造責任者に指名したのがブルーノ・チョフィ。アルザスのピエール・フリック、ジュラのラ・パントを成功させた醸造家』

2016ヴィンテージからはマルクと共にブルーノが主体となってのワイン造りとなっているが基本的なスタイルは何も変わっていない。
ブルーノの醸造家としてのスタートはアルザスの「ピエール・フリック」。1995年から13年間働き、ビオディナミに関する知識と経験を深めた。
『当主ジャン・ピエールは70年代から自然栽培を実践。1981年からビオディナミに不向きと言われていたアルザスでビオディナミを導入した』
その後、2008年にジュラの「ドメーヌ・ド・ラ・パント」の醸造責任者に就任。1999年から自然栽培だったが、2009年にビオディナミを導入。
『32haの全ての畑にビオディナミを導入し、土壌のエネルギーを高める事から始めた。ワインは圧倒的に表現力が出てきた』
ブルーノの代になってからのラ・パントのワインは一気に評価を上げた。現在は同じ考え方の「サミュエル・ベーガー」に引き継がれた。
2014年には「ニコラ・ジョリー」の娘、ヴィルジニー・ジョリーと出会いパートナーとなり、2016年にアンジュに移り住んでしまう。
同じタイミングでマルク・アンジェリは醸造責任者を探していて、ニコラ・ジョリーを通じて2人は知り合い、意気投合してしまう。

失われていく地方性

フェルム・ド・ラ・サンソニエールで働きながら、ワインから地方性が失われている事を危惧する気持ちを大きくしていく。
『アンジュには自然栽培で畑を再生させているが、注目されずに難しい環境にいる若者が多くいる。彼等を支援することができれば』
2017年、地方性の重要性を若手に説き、栽培、醸造、販売の手助けをする目的の会社「ベレィ・エ・コンパニ」を設立。
注目されない若手の葡萄を買取り、ブルーノが醸造を担当しながら経済的に苦しい若手を助ける活動を始めた。
『アンジュの伝統であり、地方性を最も現わしているワインこそがロゼ・ダンジュなのに今のロゼ・ダンジュは地方性を失っている』
マルク・アンジェリのロゼ・ダンジュールと同じく、糖分添加ではないない昔ながらの自然な甘味と旨味を持った日常のワインを目指している。

特殊な醸造方法

最初に造ったワインはアンジュらしい僅かに甘い微発泡ロゼ。70%カベルネ・フラン、15%グロロー、15%ガメイで全て有機栽培の葡萄。
『発酵時に発生する二酸化炭素を発酵後にワインに戻すというシャトー・トゥール・グリーズのフィリップ・ゴルドンが発明した手法を採用』
シャトー・トゥール・グリーズはグルドン夫妻がソーミュールに設立したワイナリーでロワールにおけるビオディナミの草分け的存在。
彼等は2015年を最後に廃業してしまったので、この醸造方法で微発泡ワインを造っている人はブルーノ・チョフィのみとなっている。
『グルドン夫妻から醸造方法を学び、シャトー・トゥール・グリーズが使っていた名前、ゼ・ビュルもそのまま引継いだ』
ガスを注入することなく、シャルマ方式でもシャンパーニュ方式でもないゼ・ビュル独特のスパークリングワイン。
『この方法は自然の発泡と発酵時に生成された香味成分をワインに戻す事が可能で、独特の風味と柔らかい発泡を楽しめる』