チャッチ・ピッコロミニ・ダラゴナ
●『ブルネロ・ディ・モンタルチーノ』最高峰の1人●
17世紀から続いたモンタルチーノの司教が所有していた葡萄畑を相続。歴史的畑『ピアンロッソ』はブルネロ最高 峰のワインの1つとして常に最高の評価を受けている。
ブルネロを代表する造り手に成長
17 世紀に起源を持つ銘家「ヴェスコヴォ家」が「チャ ッチ・ピッコロミニ・ダラゴナ」の起源。 モンタルチーノ南部最大の町「カステルヌォーヴォ・ デラ・バテ」の司教で教会を運営。町周辺からオル チャ川までの荘園を全て保有していた。 19 世紀に入ると「フランチェスコ・チャッチ」がこの荘 園を全て購入。その後「ピッコロミニ・ダラゴナ家」と の結婚によって「チャッチ・ピッコロミニ・ダラゴナ」が 誕生する。
『1985 年、直接の相続人がいなかったので荘園は 最も信頼の厚かった農夫ジュゼッペ・ビアンキーニ へと相続された』
当主の死、遺言により一夜にして荘園全てを相続し た「ジュゼッペ」。相続税の関係で彼は荘園のほとん どを売り、葡萄畑だけを残すことを決断。
『ジュゼッペは葡萄栽培とワイン造りに情熱を持った 農夫だったので葡萄畑以外を農民達に売り、自分 はワイン造りのみを続けた』
2004 年、ジュゼッペは亡くなり、息子「パオロ」と娘 「ルチア」が後を継いでいる。 本拠地はモンタルチーノ最南端の「カステルヌォー ヴォ・デラ・バテ」。オルチャ川を渡れば「サンタンテ ィモ」。ここに広大な 170ha の土地を所有。
『17 世紀から葡萄栽培に適していたとされる区画 のみを葡萄畑にしている。それ以外は森を残し、オ リーヴ栽培も行い自然を残す』
赤土から生まれる濃厚な果実
標高 240~360m。南~南西を向いた丘の一面を 所有。北東斜面は森を残している。赤い粘土に丸い 小石が多く含まれる表土。粘土比率が高い。
『昔から所有する一番古い区画で最も優れた畑が ピアンロッソ。歴史的にも最も優れた区画。今でも トップ・キュヴェはここから造られる』
赤土は鉄分やマグネシウムが多く含まれる。小石は 石灰が多い。この土壌バランスがこの土地の個性で 彼等の個性となっている。
『ピアンロッソは 1.6ha でオルチャ川に向かっていく 斜面。粘土と石灰が混ざりあった泥灰土壌で最も 複雑味を表現できる。樹齢も高い』
また、オルチャ川の影響で日中は温暖で夜間は冷 やされるのも特徴。ピアンロッソの地下にはオルチャ 川に続く水路が有り、酷暑も水不足はない。
『畑は全て有機栽培。除草剤等は一切使用しない。 森に囲まれているので猪や鹿に葡萄を食べられて しまう。石鹸を吊るしたり、鉄線を張っているが、毎 年 20%は食べられてしまう』
動物が食べたくない薬剤まみれの葡萄でワインは造 りたくない。石鹸を吊るし、人間の存在を動物に認 識させ侵入を防いでいる。
『葡萄がワインを造る。凝縮した葡萄が収穫し、シ ンプルに醸すこと。その為に法定基準の 3/4 まで 収量を落としている』
若い樹で造るロッソ・トスカーナ
■ブルネロ・ディ・モンタルチーノ
16ha。標高は 240~360m の色々な区画の葡萄を アッサンブラージュすることで一定の品質を保つ。
『ロッソ・トスカーナを造ることで厳しい選別が可能 になり品質が向上した』
■ブルネロ・ディ・モンタルチーノ・ピアンロッソ
6,000 年前の古い土壌が主体。彼等の畑で最も条 件が良い。樹齢も高い。平均 50 年。
『熟成はスラヴェニア産の 20~60hl の大樽で 36 ヶ月間。通常のブルネロよりも 12 ヶ月長い』
■サンタンティモ・ロッソ・アテオ
オルチャ川を渡った「サンタンティモ」のカベルネ、メ ルロー。1989 年が初ヴィンテージ。 アテオは「無神論者」を意味する。フレンチバリックと アメリカンバリックを併用して熟成。
■トスカーナ・ロッソ
『アテオの畑の若木を中心にブルネロの畑で選別さ れた葡萄も使用する。サンジョヴェーゼ、カベルネ、 メルローをアッサンブラージュ』
若木独特の解放感のある味わい。単純でジューシ ーだが多品種なので単純すぎないのが良い。