クメ・ド・アヴィア

・低いアルコールで繊細な新しいスペイン・

雨の多い土地で荒地だった畑をオーガニック栽培で再生

クメ・ド・アヴィアは我々が試飲したガリシアワインの中で最も質の高いワインだと言えると思います。それはまさにテロワールを表現しています。スペインの中でも最もチャレンジを必要とする天候の中で花崗岩をベースとした複雑に混ざり合う土壌、数多くの固有品種がワインを構成しています。

当主のディエゴ・コラルテは、ここは菌類のパラダイスだよ、と言います。それはこの土地の雨量と湿気がもたらすカビなどを意味しますが、同時に微生物の宝庫でもあり彼は化学肥料でそれらを抑制することはただ楽をするというだけではなく、葡萄にも生物にも我々にも有害なことを引き起こすということを示しています。

家族はリバダヴィア近郊の大手のコペラティブのメンバーでした。ディエゴはそこが作る大量生産の安くてそして化学肥料に依存した作り方から逃れたいと思っていました。2005年、彼は新しいプロジェクトを立ち上げます。1940年代から荒地になっていた畑をオーガニック栽培に変換して持続的に再生させることに生涯をかけることに決めます。

それまでワイン作りにあまり経験のない中でディエゴとディエゴの兄弟はかなりの費用をかけて機材を購入し、リバダヴィアの町で合流するアヴィア川とミーニョ川を望む高台にある雄大な景色を望むこの丘の中腹を開墾し直しテラスを作り葡萄を植えました。

ここはスペインの北西部、大西洋から70キロ内陸にあるガリシア州の小さいながらも歴史的に重要なリベイロワインの中心地です。ワイン産地としてはリアス・バイシャスとリベイラ・サクラの間に位置します。

数多くの渓谷と2500ヘクタールのぶどう畑のある山岳地帯です。 平均雨量が950mmで気温の低い湿潤地域になります、しかし夏は40度を超える日もあるほど過酷な土地とも言えます。ここまたスペインで最も古い産地として登録されています。16世紀まではワインはボルドーよりも高値でかつ高い評価を受けて英国に多く輸出されていました。戦争の後、それは終わりを告げます。英国は代わりにポルトを開発し、20世紀になるとこの土地では安価な輸出品が生産量の中心となり悪用と共に今日でもこの傾向は続いています。ディエゴは現在の市場に向けてこの土地の上質なワインを限りなく自然に作りたいと考えています。

彼のヒルサイドの畑はリベイロの典型とも言えるモザイクのような複雑な土壌で、基本になる花崗岩はワインにエネルギーとまっすぐさを片岩や粘板岩、多くのクオーツや砂がまじりそこに複雑味を増します。2005年からこの土地固有の品種を植え始め、現在も植え続けていますが、特にカイーニョロンゴ、ブランセセラウ、スソンという赤品種、トレイシャドゥーラ、アルバリーニョの美しさには目を見張ります。セラーは祖父母の古い家を改装し、古来の栗の樽を使う醸造を多く復活させています。Cume do Aviaの名前は Cumeは山頂を意味します。Avia川とを見下ろす丘の上の意味です。