ル・オー・プランティ

自然農法による個性派『ミュスカデ』

「ピエール・ブルトン」達と同じ理念のもと自然農法で葡萄を栽培。大量生産のミュスカデとは一線を画した、独自の 味わいのワインを醸す。亜硫酸無添加キュヴェも挑戦。

ピエール・ブルトンが高評価

「カトリーヌ・エ・ピエール・ブルトン」の「ピエール」が 高く評価をする造り手「オー・プランティ」。 二人の兄弟がドメーヌを経営。兄の「クリスチャン」が 栽培、弟の「アラン」が醸造を担当している。 彼等にとって「ピエール・ブルトン」は醸造仲間であり、 自然農法の師でもある。

 

『ピエール・ブルトンのワインを飲み有機農法への転 換を決めた。理想の味わいがそこにはあった』

1960 年代に父「ミッシェル・クイヨー」が野菜用の農 地を葡萄畑に転換。そこから少しずつワイン造りを始 めた。

『父の時代の伝統も取り入れている。更に新しい手 法にも挑戦する。畑での作業から醸造まで家族で 行っているからこそ柔軟に対応できる』

2012 年ヴィンテージより AB 認証を取得。全ての畑 で有機農法を導入している。

ミュスカデには個性がある

ミュスカデの生産地域は広く、太平洋岸から内陸ま で 9,000ha以上。沿岸部と内陸では気候も土壌も 大きく異なり、本来は多様なタイプのワインが生まれ る地域。 しかし一般的には「個性の少ない凡庸なワイン」とい うイメージが根強い。

『現在流通するミュスカデの殆どが大規模工場で量 産された安価なワイン。だからミュスカデはガブ飲 みワインとして扱われてしまう』

「ル・オー・プランティ」は、ミュスカデ地域の中でも 内陸に位置し、ブルターニュ南部に含まれる。 海岸近くの畑よりも砂・粘土・片岩など、複雑な土壌 を持っているのが特徴。

 

『海側の平地のミュスカデは単純で平坦な味わい。 内陸部である僕等のミュスカデは繊細さ、緊張感が 備わっている』

キュヴェ名を「ミュスカディ・ブレイズ(ブルターニュの ミュスカデ)」としたのも彼等の考えによる。エチケット にはブルターニュ地方の旗も描かれている。

『一部のワインはAOCミュスカデではなく、ヴァン・ ド・フランスでリリース。官能検査でミュスカデ本来 の味わいではないと評価されてしまったから』

彼らが造るミュスカデはそれ位個性的。太めの酸を 持ち、グリップのある味わい。一般的にイメージされ る「軽く口当たりの良い味わい」とは異なる。 しかし、彼等はこの味わいこそがブルターニュのミュ スカデの個性と考えている。AOCには拘らず、今後 も独自の味わいを追究していく。

亜硫酸無添加キュヴェ

■ミュスカディ・ブレイズ(ヴァン・ド・フランス) 天然酵母のみで 2~3 ヶ月かけてゆっくりと発酵。マ ロラクティック発酵。タンク内で澱を残したまま熟成。

 

『亜硫酸無添加。酸化を防ぐ為にアッサンブラージ ュは行わず、タンク毎にボトリング。ミュスカデの個 性を感じて欲しい』

■ワン・ミュスク・ア・デイ(ヴァン・ド・フランス) 8 日間果皮浸漬した後にプレス。アルコール発酵及 びマロラクティック発酵を 12 ヶ月かけて行う。亜硫 酸無添加。

■レ・ヨンニエール(ヴァン・ド・フランス) 樹齢 40 年以上の古樹。10 ヶ月かけてゆっくりと発 酵。その後別のタンクで翌年のワインの澱と一緒に 熟成させる。亜硫酸無添加。

『砂に泥灰とシストが混ざる、ミュスカデにとって理 想的な土壌。数年熟成が可能なミュスカデ』