マルスレット

●『出荷直前に瓶詰め』最もフレッシュなプロセッコ●

収穫量の50%以上は他の大手生産者に販売してしまい選別した質の良い葡萄のみでプロセッコを造る。できる限 りフレッシュな状態でお届けする為に出荷直前に瓶詰めしている。

急勾配の厳しい環境

可愛らしい香と味わいから誤解されることが多い「プ ロセッコ」。実は崖のような急斜面に張り付くように作 られた厳しい自然の中にある。 DOCG に認定されたことで造り手の意識が変わって きている。2015 年にはシャンパーニュを抜きスパー クリングワイン世界一の産地となった。 1936 年「アゴスティーノ・マルスーラ」が「ヴァルドビ アーデネ」の畑を購入したのが「マルスレット」の始ま り。 小さいマルスーラを意味する「マルスレット」は身長 が低かった「アゴスティーノ」をからかった名称。 現当主は「エルメス」。納得いく品質に到達しなかっ た葡萄を大手生産者に販売し、高品質葡萄だけを 使うことを決断して一気に品質を高めた。

『収穫した葡萄の 50%は大手生産者に販売してし まう。畑で選別し、カンティーナで選別、そして最後 に自分達で造るか販売してしまうかを決める。僕等 は 3 回選別している』

「ヴァルドビアーデネ」の土壌は典型的モレーン。氷 河が丘を削った時に堆積した土壌でアルプス山脈 を形成する石灰土壌や海に由来する泥岩や砂岩 質も存在する。 起伏に富んだ土地で数メートル毎に土壌も変化する。 この狭いエリア内で標高差は 200m を越す。

『ほぼ全ての畑を丘の上部に所有している。急斜面 はトラクターが入れないので、耕作から収穫まで全 ての作業は人間の手によって行われる』



支柱も天然木

また、彼等の畑では有機的な取組みが行われてい る。化学的な肥料や殺虫剤は使用しない。 10 年以上の有機栽培によって葡萄樹は自然環境 と共存できるように変化。病気への耐性も出てきて 良い状態になってきた。

『葡萄樹の支柱も森から切り出した木を使う。通常 の鉄やコンクリートは先端に防腐剤が塗られている。 あれは土壌に毒を注射するようなもの』

低価格ワインの産地なのでほとんどの畑では除草剤 が使用されているが、彼等の畑では除草剤さえも使 用されない。

『僕等の畑は最も古い樹では 70 年を越す。50 年 以上の樹が半分以上を占めるというプロセッコにし ては贅沢な環境』

幹が太く、他の生産者の畑とは全く違う畑。彼等の 畑は遠くからでもすぐ解る。 色々な区画をバラバラに所有していることも利点。1 ヵ所の畑だと雹害や病気で全滅することがあるが、 色々な区画であれば良い区画の葡萄を優先的に使 うことでリスクを回避できる。



出荷直前にボトリング

『グレラ種の白桃のような香を味わうにはシャルマ 方式が最適。瓶内 2 次発酵では酵母のニュアンス が出てしまうので香が隠れてしまう』

収穫した葡萄は低温で保存し、プレス。野生酵母を 純粋培養した酵母で低温発酵させる。 その後、「アウトクラーヴェ」と呼ばれる大きなタンクで 2 次発酵を行う。 発酵終了後、粗いフィルターで澱を取り除き、自然 にデキャンティング。そのままアウトクラーヴェで保管 し、フレッシュな状態を維持する。

『澱を早目に取り除いた後、ガスが充満した状態の アウトクラーヴェで低温保管しておく。フレッシュで 最も美味しい状態を維持する』

プロセッコの美味しさはフレッシュさ。最高の状態は ボトリングしてから 1~6 ヶ月の間。 直後は安定しないので少し落ち着いてからが美味し い。6 ヶ月を過ぎるとフレッシュさは消えてしまう。

「マルスレット」のプロセッコは基本的に毎月入港。出 荷直前にボトリングしているのでボトリング後、約 2~ 3 ヶ月の最も美味しいタイミングで届く。 その為、日本の在庫は非常に少なくなっています。 一時的な品切れはご容赦ください。

瓶詰め後 6 ヶ月までが美味しい

シャルマ方式のプロセッコはフレッシュさが大切 です。瓶詰め後 6 ヶ月で香は落ちます。 マルスレットではできる限り詰めたてを味わっても らう為に出荷直前に瓶詰め。また、日本の在庫 も最小限に抑え、ほぼ毎月入港。 その為、品切れになることが多々ありますが、す ぐに入港してきますのでご了承ください。