パラッツォーネ

●『5品種ブレンド』唯一のワイン●

一時期のソアヴェのように安ワインの代名詞となっていたオリヴィエート。ジョヴァンニは土壌改善から取組み、5品種 ブレンドだからこその落ち着いた味わいのワインを造り続けている。

造り手は25人だけ

2,500 年の歴史を持つ「オリヴィエート」。近年では低価格ワインの代名詞のようになってしまった。

『オリヴィエートの造り手は25人しかいないのに市場 には 500 種類以上のオリヴィエートが存在する。こ れがイメージを悪化させた原因』

「ボトラー」と呼ばれる葡萄やワインを買取り、色々な エチケットを貼って販売する会社がウンブリアに 80 社 もある。 オリヴィエートの 90%はボトラーによるもの。自社葡萄 でボトリングまで行うのは 25 人程度。

『ここでは 2,500 年前からワインが造られてきた。そ れは土壌や気候がワイン造りにとって優れていたか ら。昔の人は理解していた』

1969 年に「ドゥビーニ」家がパラッツォーネ地区の教 会を購入したのが「パラッツォーネ」の起源。 1970 年に現当主「ジョヴァンニ」の父親が 25ha の土 地に葡萄を植樹し葡萄栽培を開始。1982 年にはボ トリングまでを自分達で行うようになっていく。

『オリヴィエートは産業が無かったので自然が多く残 っている。有機栽培で土壌を活かし、収量を下げる ことで葡萄の質を上げることが重要』

彼等の土壌は複雑。断層が重なった地域で色々な 土壌がモザイク状に入り組んでいる。

『火山の噴火によって海底が隆起した土壌。堆積土 壌主体で一部にはシルトが出ている』

基本的には粘土主体なので保水力がある。暑いウン ブリアでも葡萄は焼けることはない。

珍しい5品種ブレンド

『オリヴィエートはグレケット、プロカニコ、ヴェルデロ、 ヅルペッジオ、マルヴァジアの 5 品種ブレンドという 珍しいワイン。ブレンドで複雑味を出す』

創業当時は伝統に則って 5 種類の葡萄を 1 つの畑 に混植していたが 2000 年に植替え、今では区画毎 に品種を分けて植えている。

『品種毎に病気への耐性も違う。熟すタイミングも 違うので分けて栽培することにした。品種毎に発酵 させてからアッサンブラージュ』

密植率も 1,500 本/ha から 5,000 本/ha へ変更され た。畑ではボルドー液以外の薬剤は使用されない。 肥料も一切使用しない。

『自然環境が優れているので土壌が痩せることはな い。窒素が不足する時だけ空豆を植えることで窒素 を補給するが他は何も必要ない』

空豆や下草は急斜面の畑の表土が流されるのも防 いでいる。標高 250~300m で全て北向き。 暑いウンブリアでは北斜面が良い。葡萄がゆっくり熟 すので高品質な葡萄が収穫できる。

グレケットがワインの骨

現在、5 種類の葡萄品種は色々な区画に分けて栽 培されている。グレケットは 6 区画に分かれて栽培さ れている。土壌や日照量が違うので区画毎に熟度が 変わるが品種毎に一気に収穫する。 そうすることで色々な熟度のグレケットが収穫できて ワインは複雑味を持つ。

『プロカニコはワインの肉で グレケットは骨。マルヴァジアは香を与えてくれる。ヴ ェルデッロはアルコールとボリューム。ドゥルペッジォは 酸を与える』

ブレンドワインは独特の質感を持っている。単一品種 の個性の強い尖ったワインにはならないが、味わいが 丸く溶け込んだ、しっとりとした質感がある。

『単一品種はグリルした肉のように肉そのもの。5 品 種ブレンドのオリヴィエートはボリートのような煮込ん だ美味しさ。出汁と一体になった丸い味』

彼等のワインは一般的な「オリヴィエート」とは違いベ ースの「テッレ・ヴィナーテ」でも 5 年程度熟成する。 それだけ葡萄に力がある。