カンティーナ・デル・タブルノ
●ファランギーナの最適地『タブルノ』●
タブルノ最高峰の樹齢150年のアリアニコから造られるブエ・アピスを造る協同組合。コス・デストゥルネル等の醸造 責任者としても活躍したルイジ・モイオが今もコンサルタントの品質重視の組合。
ルイジ・モイオ
1901 年に設立された「ベネヴェント」地区の農業組 合がこの地域の農業の要としてワイン造りに着目した のが「カンティーナ・デル・タブルノ」の始まり。
『1972 年にフォリアニスにカンティーナを設立。品質 向上の為の研究所も同時に開設された。そこに雇 われたのがルイジ・モイオだった』
小規模の生産者協同組合としてワイン造りを始めた が、「ルイジ・モイオ」教授が加入したことで品質が一 気に向上。人気の組合となった。
『今では330人の葡萄栽培農家が加盟し、450haも の広大な畑を管理している。栽培方法や収穫のタイ ミング等全て組合が管理する』
330 人の小規模農家の畑は平均で 1.5ha 程度。葡 萄栽培だけでは生活できない兼業農家。
『葡萄畑の管理は組合の栽培担当のフィリッポと農 業学者のアルフォンソの指示で組合が全て行ってい る。通常の組合とは違う形式』
現在、25 名の栽培担当者を配備していて各畑を毎 日管理している。化学的なものを極力排除、密植や グリーンハーヴェスト、厳しい選果による収量制限も 導入された。
『2012 年より 450ha 全ての畑で EU のビオロジコの 基準を満たした。イタリア最大規模だ』
最も重要なのが醸造担当の「ルイジ・モイオ」。「アン トニオ・カッジャーノ」や「サン・グレゴリオ」を人気生産 者に引き上げたのも彼の功績。 1998 年から参加している。現在では自分のカンティ ーナ「クイントデチモ」と兼業している。
『カンパーニャワインの父とも評され、仏、コス・デスト ゥルネルの醸造も担当していた世界的な醸造家。彼 の出世作がブエ・アピスだった』
明快でフレッシュなタブルノ
彼等は「イルピニア」の土着品種を大切にしている。 土着の品種を復興させることが彼等の役割でもある。
『重要な黒葡萄はアリアニコ。この地区はアリアニ コ・トレックゾが主。バジリカータのヴルトゥーレと同じ クローンでカンパーニャではここにしか無い』
同じアリアニコでもタウラジのアリアニコとは全く違う個 性を持つ。軽やかで華やかな雰囲気。
『白葡萄はファランギーナがベネヴェントの本来の土 着品種。この地域のボネアが原産の品種』
「ピエディロッソ」「フィアーノ」「グレーコ」「コーダ・ディ・ ヴォルペ」は今では地品種と言われているが元々は 「ギリシャ」に起源を持つ。
樹齢150年のアリアニコ
彼等は「ベネヴェント」の歴史的に重要な畑も所有し ていて、種の保存を行っている。
■アリアニコ・ブエ・アピス
『ラジエッラ仕立の樹齢 150 年のアリアニコも残って いる。幹は直径 30cm を超える太さで枝先は 5m 以 上も伸びている』
イタリア最古の葡萄樹とも言われる畑で昔は葡萄樹 の間で野菜栽培をしていたので樹は 3m 間隔で植え られているという特殊な畑。
『樹齢 150 年の樹からはアリアニコ・ブエ・アピスが 造られる。重心の低いどっしりとしたワイン。タウラジ とは全く違う形のワイン』
樹齢150年なので勿論、フィロキセラに侵されていな い葡萄。自根のアリアニコは非常に貴重。
■ファランギーナ・デル・サンニオ 標高 200~600mの間にある 50ha の畑の葡萄を全 てアッサンブラージュして造られる。また、伝統的な 棚仕立やグイヨ仕立など仕立も色々。
『色々な標高の畑や色々な仕立の葡萄。そして色々 なクローンが混じることでワインに深みが出る』