こんなワインです
絶滅危惧品種の復興に尽力!!
この地方にしか残っていない土着品種「チェンテジミーノ」100%。
絶滅に瀕している品種で、この品種でワインを造っているのは8人しか残っていない。
●アンフォラ発酵・熟成●
手摘みにて収穫後、除梗し、プレスせずにそのままジョージア産アンフォラに入れ自然発酵。発酵期間は1-2週間ほど。その後、皮と澱と共にそのままアンフォラにて6ヶ月間熟成。瓶内熟成6ヶ月間。
ラベルは画用紙のように分厚く、手でひとつひとつ輪ゴムで付けているという一風変わったスタイルです!
アンフォラにて発酵(セミ・マセラシオン・カルボニック)、熟成(熟成期間6ヶ月間)+ 瓶内熟成6ヶ月間。
ヴィッラ・ヴェンティのワイン
WINERY
生産者情報
ヴィッラ・ヴェンティ
●海のサンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ『ロンコフレッド』●
元ソムリエの2人が独立して始めたカンティーナ。量産ではない品質重視のサンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャの伝統的スタイルを目指している。土着品種ファモーゾ、チェンテジミーノの復活にも注力。
元ソムリエが造るワイン
2002年設立、翌年から植樹を開始した若いカンティーナ。20代の頃、ソムリエをしていた「マウロ」と「ダヴィデ」が共同オーナーを務めている。彼等の前職は薬品の製造と不動産。好きでもない「モノ」を扱う、生活の為の仕事に嫌気がさして脱サラ。40歳で農業に転身することに。
『残りの人生と子供達の成長を考えた時、もっと自然と近付き、人間らしく精神的に裕福な生活をすべきだと考える事は必然だった』
ソムリエの経験がある2人はワイン造りを目指すことに。直ぐに農学者で醸造家の「フランチェスコ・ボルディーニ」と出会い、意気投合。
『ノエリア・リッチやヴィッラ・パピアーノは冷涼で石灰質土壌=山のワイン。ロンコフレッドは温暖で粘土質=海のワインなので全く違う個性』
フランチェスコが醸造責任者に就任。ワインは僅か2,500ケースの生産で、古代小麦、オリーヴ、果物の栽培が主体の農家的カンティーナ。
『ロマーニャには自然と共に生きる伝統がまだ残っている。畑を耕して果実を収穫し、家族と喜び、後世の為に畑と自然を残していくのが伝統』
典型的ロマーニャスタイル
海から10kmの位置にあるロンコフレッド。標高は200m程度と低く、土壌は粘り気のある赤い粘土質に少し砂が混じる。石灰含有量は少ない。
『海洋性気候の影響を受ける地域で年間を通して温暖。葡萄の熟度は高く、糖度が高い。力強さや骨格、厚い果皮を得られる』
ノエリア・リッチやヴィッラ・パピアーノは海から60kmの内陸部で標高は500mで冷涼。石灰の影響を強く受け、繊細で軽めに仕上る。
『水分量の少ない葡萄で果実が強く凝縮する。しかし、トスカーナのサンジョヴェーゼとは異なりタンニン量は少ないので若い内から楽しめる』
畑はロンコフレッドの山奥。丘の頂上部にアグリツーリズモと醸造所があり、その周辺が葡萄畑と小麦や果物の畑になっている。
『地域に残っていた古文書で1,500年代に優れた葡萄畑だったことが解ったので、森を開墾し、ビオディナミで畑を造作っていった』
ずっと森だったので1度も薬品が使われたことがない畑。何年もかけて植物が腐り、土に戻っていき土壌は自然のバランスを保っている。
『葡萄だけを育てていると土壌成分やバクテリアの種類が偏ってしまうが、400年以上も森だったので自然のバランスがとれている』
元々、森だったのでバクテリアも動植物も色々な種類が存在している。それを減らさないようにビオディナミで畑を維持する。
『粘土は水分豊富なので根が下に伸び難い。根が下に伸びるように表土近くを耕し、地表付近の根を切ることで根は下に向かうようになる』
仕立ては「アルベレッロ」を採用。今では生産効率の良い「グイヨ」が主流だが1920年代まではこの地域の畑は全てアルベレッロだった。
肥沃な土壌なのでグイヨでは収量が多くなり過ぎてストラクチャーに欠けてしまう。アルベレッロで収量をできるだけ抑えて凝縮度を上げている。
伝統品種とアンフォラ
サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャは低価格なので量産タイプのクローンが多く使われているが、彼等は収量の少ない4種のクローンを栽培している。
『ロマーニャの問題は皆が病気に強く収量の多いクローンを使う事。味わいは画一的で同じような味わいのワインしか造れない』
収穫は内陸部の「ノエリア・リッチ」より半月早い。糖度が高く、水分量が少ない葡萄で凝縮している。そして芳香に優れている。
『果実を味わうサンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ。柑橘のニュアンスが特徴。比較的強いワインなので瓶内熟成を24ヶ月と長くしている』
白は伝統品種「ファモーゾ」。今や絶滅危惧品種だが、レモン、グレープフルーツのようなフレッシュで透き通った味わいは個性的で唯一無二。
更にこの地域にしか残っていない土着品種「チェンテジミーノ」も植樹。赤系果実のフレッシュな酸味を活かす為セミマセラシオン・カルボニックを採用。
『チェンテジミーノは100%全房でアンフォラに投入。果実を潰さず果実内で発酵を始め、発酵途中に破砕して発酵を活性化させる』
品種由来のフレッシュさ、赤系果実のニュアンスが強く、ガメイとシラーの中間のような味わいが特徴的でこのワインにしかない個性となっている。