こんなワインです
2012年からトレビアーノ単一でワインを造り始めた。シエナ南部、東向きの畑。できる限り葉を多く残して葡萄が焼けないように栽培。できる限り遅い収穫。収穫後、徐梗してステンレスタンクに投入。足で踏んで破砕して野性酵母のみで発酵。マセラシオンはヴィンテージによるが、1週間から1ヶ月。6ヶ月ステンレスタンクで熟成後、ボトリング。サンタ・ディエチのワイン
WINERY
生産者情報
サンタ・ディエチ
脱サラしてお爺さんの葡萄畑を自然農法で再生
親戚、パーチナ当主ステファノの助けでワイン造りを始めたジャンニ
サンジョヴェーゼを中心にカナイオーロ、チリエジョーロ、コロリーノというトスカーナの土着品種を活かす
❖脱サラしてワイン造りへ❖
『キャンティ・クラシコ地区の南に位置する旧都、シエナ。観光地としても有名なシエナの南東8kmにある高台からシエナを見下ろす位置にあるのがカンティーナ・サンタ10』
当主はジャンニ・マッソーネ。会計士としてシエナで働いていましたが、過酷な労働と心労で体調を崩し、フルタイムでの勤務を諦め、第2の人生を模索します。
『妻の妹がパーチナ当主ステファノと結婚していたので親戚同士。ステファノの助言を得ながら、お爺さんから相続していた葡萄畑の再生に取り掛かることを決意』
50年以上放棄されてきた葡萄畑をステファノに助けてもらいながら、ジャンニが1人で再生。2000年に植え替えを行い、化学薬品、化学肥料を使わずに自然治癒していきます。
『畑は荒れていたが、何もしていなかったので農薬に侵されてはなく、土壌は健全だった。サンジョヴェーゼ、カナイオーロ、チリエジョーロ、コロリーノといった土着品種を植樹』
更に、乾燥した気候と土壌に相性の良いカベルネ・フランとプティ・ヴェルドも植樹。人気のサンタ・トレの為に、トレビアーノの古いクローンも新たに植樹します。
『所有地は8.5ha。400本のオリーブ樹からオリーブオイルを造り、ダマスカス種の薔薇からローズ・シロップ。2.5 haの葡萄畑からワインを造っている昔ながらの荘園』
お爺さんの代から畑では一切の農薬は使われていなく、今も除草剤含め、全ての化学薬品は使用していません。自家製コンポストと緑肥のみで畑を維持しているのです。
『2007年に初めてワインを醸すが、生産量は僅か500ケースなので、それだけでは生きていけない。会計士として働きながら、空いた時間で畑作業を行ってきました』
現在は会計士を辞め、畑を増やしながら、ワイン、オリーブオイル、ローズ・シロップの生産。更に塔を改装してアグリツーリズモを開業し、毎日、畑に出ています。
❖パーチナのステファノの助け❖
畑は標高320mの高台にあり、1800年代に建てられた塔と小さな家。塔の地下は昔、セラーだった空間が残っていて、今もそれを活かしてワインを熟成させています。
『土壌はキャンティ・クラシコと違い、トゥーフォと呼ばれる黄色い粘土質で、凝灰岩と海に由来する砂質を含みます。ワインは、より凝縮し、熟成ポテンシャルを高めます』
粘土質が強いので、近年の温暖化で乾燥が続いても粘土が保水し、葡萄が焼ける事はありません。日照の少ない北向き斜面にはトレビアーノがあり、遅い収穫で複雑味を得ます。
『畑は丘の上にあるので東西南北、色々な向きにある。最も日照がある西向き斜面にはカベルネ・フラン。乾燥に強く、粒が小さく、成熟して青さのない完璧な葡萄が出来る』
パーチナのステファノのお陰で、自然農法を取り入れ、義父の環境保護活動家であるエンツォ・ティエッティの教えで生物多様性と持続可能な農業を取り入れます。
『次世代の息子達が僕達と同じように、自然の恩恵を受けられるよう、葡萄畑を中心に自然環境を守っていく。有機認証のICEAも取得した』
また、ラ・ビアンカーラのアンジョリーノが主催するヴィン・ナトゥールのメンバーとして基準値以下への酸化防止剤の抑制。一切の添加物の使用をなくしています。
『木を模ったエチケットは代々受け継いできた家と家族4人を表しています。そしてもう1つ、葡萄、オリーブ、果樹、薔薇の4つの農業も意味しているのです』
❖土地の味がワイン❖
仕立てはシングル・グイヨで4,500本/haの密植。この土地では収量は自然と減り、粒もまばらな葡萄が収穫されます。平均的な生産者の2/3程度しか収穫されません。
『醸造は畑同様に極少量の亜硫酸以外は何も添加しません。酵母も畑に自生する野生酵母のみ。原材料は100%自分達で育てた葡萄のみ』
発酵はステンレスタンクで温度管理なし。各温度帯で活動する酵母が異なるので、人間が介入する事なく、酵母と葡萄果汁が自然と動くのを待ちます。
■サンタ・ディエチ
『サンタ・ディエチのマセラシオンは15~20日と長く行い、サンジョヴェーゼの香、カベルネ・フランの骨格、プティ・ヴェルドのスパイス感をワインに移していく』
熟成はスラヴォニア大樽、オーストリア、ストッキンガー、アルザス・フードルを併用。ワインに何かを与えない硬質な樽を好んで使用しています。
■サンタ・トレ
『サンタ・トレはトレビアーノの個性を最大化する為にパーチナのステファノと試行錯誤した。色調の濃さとアタックのタンニンに驚くかもしれないが、バランスの良いワインを目指す』
当初は30日と長いマセラシオンでしたが、今では完璧な熟度まで待ち、少しピンク色に色付き柔らかくなった状態で収穫し、15~20日程度まで短くしています。
『発酵も熟成もステンレスタンクで行う事で、繊細なトレビアーノの個性を残す。12ヶ月シュール・リーで熟成後、ノン・フィルターでボトリングし6ヶ月瓶内熟成』
茶色の色調でも参加している訳ではなく、ミネラルと酸。そしてタンニンに支えられた白ワインは今飲んでも美味しいし、熟成させる事で旨味を増していきます。
■サンタ・スービト
『カナイオーロ、チリエジョーロ、コロリーノというトスカーナの伝統的土着品種をアッサンブラージュした、まさに昔のトスカーナを思い起こさせるワイン』
田舎のワインの再現であり、トスカーナの素朴な家庭料理を引き立てるシンプルで素朴なワインを目指しています。名前の通り、すぐ(スービト)飲めるワイン。