こんなワインです
カルミニャーノの西端の森の中にある畑で周囲は全て森に囲まれている。標高が高いので収穫は通常の造り手より1ヶ月程度遅い。10月第1週にサンジョヴェーゼとカナイオーロ・ネーロ、カベルネは2週目。 セメントタンクで醗酵。野性酵母のみ。温度管理はしない。18ヶ月アリエ産の古オーク樽で熟成。ノンフィルター。
Bacchereto バッケレートのワイン
WINERY
生産者情報
![](http://wine-kenbunroku.com/cdn/shop/articles/bacchereto-300x300_{width}x.jpg?v=1663284532)
バッケレート
●『カルミニャーノ』唯一のビオディナミ●
ニコラ・ジョリーに影響を受け、ビオディナミに転換。カルミニャーノとしては規格外の骨格と凝縮度。白ワインのサッソ カルロはトレビアーノの遅摘み辛口ワイン。
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カルミニャーノ唯一のビオディナミ
「カルミニャーノ」の外れの山の頂上の古い洋館の地 下部分が「バッケレート」のカンティーナ。「バッケレー ト」は酒の神バッカスに由来する。 1920 年からこの地に住む家系で周辺の地主でもあ る「ロセッラ・ベンチーニ」がオーナー。所有地は 150ha だが葡萄畑は 8ha のみ。
『8ha の葡萄畑の為に 90ha の森を残している。葡 萄樹は単独で生きていると弱くなる。他の動植物と 影響しあうことが自然』
未婚の「ロッセラ」は 1 人で洋館に住み、自分で育て た野菜と果物、自作のオリーヴオイル、コンフィチュ ールで自給自足に近い生活をしている。
『レオナルド・ダヴィンチに近い家系でダヴィンチの叔 母が住んでいた建物もある。トスカーナで最も古くか らワイン造りが行われてきた』
本格的なワイン造りは 90 年代から行っているが、 2001 年に転機を迎える。
『ニコラ・ジョリーに感銘を受けた。技術的なことでは なく、自然を尊重する姿勢や、現代の科学醸造の悪 い部分が理解できた』
2001 年、醸造所内の全ての薬剤を捨て、ビオディナ ミに変更。一切の薬剤の使用を禁止した。
『初年度は偶然良かったが、翌年からが大変だった。 葡萄樹は薬剤に慣れていて強くなかった。病気と害 虫に侵され葡萄は激減した』
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薬剤の代りに空豆を
2002 年は天候が良く、病気も少なかったので素晴ら しい結果だった。しかし、それは偶然だった。 翌 2003 年の暑さと乾燥に葡萄樹は耐えきれなかっ た。更に 2004年の湿気にも耐えきれなかった。収量 は半分以下まで減り、品質も良くなかった。
『当時の土壌は死んでいた。空豆や麦を植え、地中 の微生物を増やすことから始まった。緑肥だけで土 壌は健全さを取り戻した』
「ロッセラ」は生産量が減ってもは諦めずにビオディナ ミを続ける。緑肥・豆類を植え、ある程度育ったら浅く 耕し、土に返していく。
『地中のバクテリアが増えて土の香が変わった。春 先に耕すだけで他は何もしない。土壌は自然のサイ クルに入り自分で生き返った』
土壌が生き返ると畑の個性が出てきた。昔は個性で はなく問題点と感じていたが、今では個性だと思える ようになってきた。
『小川に近い区画は湿気が多く、カビが出やすい。 下部なので成熟も遅い。以前は問題点だと思って いた。今はこの個性を活かして遅摘みの辛口サッソ カルロを造っている』
古くからトレビアーノが植えられた小川に面した区画 は毎年貴腐菌が発生する。 以前は薬剤でカビが着かないようにしていたが、今で は貴腐菌を利用して遅摘みし、複雑味のある辛口の 白ワインに仕上げている。
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醸造責任者マルコ
醸造責任者は「マルコ」。「ロッセッラ」の最高の理解 者で栽培責任者でもある。土壌改良を進めた彼等 は葡萄の強さを活かす醸造へと変わっていく。 発酵槽はステンレスタンクからホーロータンクとセメン トタンクへ変更。
『空気との接触を促し、酵母に自由に発酵させる。 ステンレスは電気を通すので少なからずワインが影 響される。自然な環境がいい』
熟成に使われる樽は 2008 年まで徐々に買い足して きた。中古樽は衛生状態が確認できないので嫌い、 新樽を買い足してきた。 当初は樽香がどうしても出てしまったが、今では新樽 はほとんど使われていないので樽のニュアンスも減り、 葡萄自体の個性が出ている。
『コンフィチュール作りでも良い果実があれば砂糖は 最小限で良い。ワイン造りも同じ。良い葡萄ができ れば何も足さない方が良い』
彼等のカルミニャーノは進化している。葡萄の凝縮 度は更に高まっているが、重くない。ジューシーでフ レッシュな果実が前面に出ている。 「ロッセッラ」の人柄のように楽しく躍動感のあるワイン になってきた。