こんなワインです
標高350〜400mの畑で黄色い粘土石灰土壌に30%砂質が混じり込んでいる特殊な畑ゴデンザ。ミネラル分が豊富で冷涼な区画。クローンは何種類か混植されているが全てロマーニャ固有種でトスカーナより粒が大きく酸度が高い。発酵はステンレスタンクで野性酵母のみで行われる。マセラシオンは28日。熟成はステンレスタンクで8ヶ月、ボトルで12ヶ月熟成してから出荷。
ノエリア・リッチのワイン
WINERY
生産者情報
![](http://wine-kenbunroku.com/cdn/shop/articles/5.Noelia_Ricci_{width}x.jpg?v=1618215902)
ノエリア・リッチ
●山のサンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ『プレダッピオ』●
高い標高と硫黄含有量が高い土壌。海洋性気候の影響を受けない冷涼な気候。生産性が悪く、濃厚さもないので 敬遠されてきたが、唯一無二の個性。新しいサンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ。
高地プレダッピオ・アルタ
東西に長い「サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ」。ア ドリア海寄りの東部は標高 100m の平地だが「ノエリ ア・リッチ」が位置する「プレダッピオ・アルタ」は標高 400m を超える丘陵地となっている。
『サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャで最も標高が高 く、特別な土壌。他の地区とは全く違う個性だが、 歴史的には軽視されてきた』
プレダッピオ地区でも更に上部の「プレダッピオ・アル タ」のラッビ丘陵に 1941 年から荘園を持っているの が「リッチ家」。 故「ノエリア」が 1970 年にこの土地のポテンシャルに 気付き葡萄を植樹。それ以来「リッチ家」によって守 られてきた。
『当時は平地で造られる安くて濃いワインが求めら れていた。繊細で軽やかなプレダッピオのワインは 理解されなかった』
現当主は「マルコ」。醸造責任者は親子 2 代に渡り サンジョヴェーゼ専門の醸造家として活躍するサン ジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャの専門家「フランチェス コ・ボルディーニ」。
『ロマーニャは安さが売りだった。自信が無いから濃 くて安いワインを造っていた。プレダッピオの個性は 唯一のもの。土地の個性を表現するべき』
彼は「ラ・ストッパ」当主「エレナ」等多くの醸造家も認 める実力者で「サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ」の 質での復興を牽引している。
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クジラの骨が出土した土壌
彼等の白ワイン「ビアンコ・フォルリ・ブロ」にはクジラ の絵が描かれている。これはクジラの骨の化石が出 土した畑から造られているから。
『海底由来だが、ロマーニャで最も石灰が豊富で泥 灰が少ない。最大の特徴は硫黄が多く含まれるこ と。果実よりミネラルが勝る』
アドリア海側から南北にいくつもの山脈が連なる。何 度も隆起が起った地域だが「プレダッピオ・アルタ」が 最も標高が高いので冷涼。
『海洋性気候の影響もない。標高 400m の急斜面 は冷涼で水はけも良い。そして硫黄含有量が多くミ ネラル分が強く出る』
ロマーニャでは異質の環境が揃っている。他の造り 手は誰もこのポテンシャルに気付かなかった。「ノエ リア・リッチ」だけの個性。
『急斜面なので生産効率は悪い。冷涼なので葡萄 の生育が遅い。硫黄が多いので濃厚さはでない。 だから誰もが軽視してきた』
最も標高の高い「ゴデンザ」畑は周囲を森で囲み海 風の影響を受けないようにしている。樹齢は 40 年。 土地の味、ミネラルの表現。
『ロマーニャにはテロワールという考え方自体が無か った。ニュートラルなサンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニ ャ種だからこそ土地を素直に表現できる』
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ステンレスのみが重要
昔は「プレダッピオ・アルタ」の葡萄は強さが無いので スプマンテに使われていた。
『ニュートラルだからこそ土地そのものの表現ができ る。品種の個性ではなく土地の個性が出る』
栽培は全ての畑で有機栽培が実践されている。有 機認証を取得できる年数をクリアしているが、現時 点で満足していないので取得していない。
『発酵・熟成は全てステンレスタンク。ニュートラルな 品種なので何も与えないことが重要。樽は強すぎて 全てを隠してしまう』
同じサンジョヴェーゼでもトスカーナのサンジョヴェー ゼとは全く違う。ロマーニャのサンジョヴェーゼは房が 大きく粒も大きい。果皮は薄い。 果皮が薄いのでタンニン量も少なく早飲みできる。 全ての要素は突出していないので樽や長期マセラ シオンは品種や土地の個性を隠してしまう。
『ワインに熟成容器の味や醸造技術の味が出ては いけない。ましてや醸造家の個性が出てはいけない。 その土地の味がすれば良い』
■ビアンコ・フォルリ・ブロ 「トレビアーノ・ロマニョーロ」。5%だけ 4 月までマセラ シオンすることで深みを与える。
『砂が多い畑なので軽いミネラル。良い畑でないと 個性が出ない品種。少し熟成するとペトロール香が 出る。少しのタンニン』
■サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ・ゴデンザ 標高 400m の最上部にある畑。周りに畑は無い。ロ マーニャで一番高い位置にある。
『森に囲まれ海の影響を全く受けない。山の冷涼感 とミネラル。果実はほとんど感じない』